観光列車は普通の列車よりも内装・サービスが豪華ですが、そのほとんどが通常運賃+αで乗車できます!そのため、リーズナブルに優雅な列車旅行を楽しむことができるのです!
今回はJR五能線の『リゾートしらかみ』に乗車!JR東日本が提供する19の観光列車の中でも、知名度・人気ともに最も高い列車の1つです!非常に人気のため、夏休みや年末年始などの混雑時には満席となることも…
本記事では『リゾートしらかみ』の概要や乗車レポート、また予約の際の注意点などをお届けします。これから乗ってみたいという方の参考になれば幸いです。
以下の記事で、『リゾートしらかみ』と同型車両で運行している、JR羽越本線の観光列車『海里』の乗車レポートを紹介しています。ぜひ、こちらの記事と合わせてご覧ください!
目次
『リゾートしらかみ』とは?
テーマ
JR東日本の観光列車は列車の特徴ごとに「グルメ」・「車内」・「車窓」とカテゴリー分けされています。
『リゾートしらかみ』は「車窓」が特徴の観光列車!JR五能線は日本海に沿う海岸線を縫うように走っており、車窓からの景色は絶景そのものです!
運行区間
『リゾートしらかみ』は、JR五能線の青森駅(一部弘前駅)~秋田駅間を運行しています。
3つの車両形態
『リゾートしらかみ』には、橅・青池・くまげらという3形態があり、それぞれ外装のカラーや内装が異なっています。この各形態の名前は、白神山地を走る沿線にちなんで名付けられたとのことです。
デビュー年は以下の通り
- 青池:1997年4月(2010年12月リニューアル)
- 橅:2003年4月(2016年7月リニューアル)
- くまげら:2006年3月
最初のデビューから20年以上経ちますが、年々編成の増加やリニューアルを繰り返しながら全国のファンに愛され続けています。
運行スケジュール
運行日は時期によって異なり、不定期運行となっています。
『リゾートしらかみ』には1号~6号までがあり、奇数号が下り(秋田⇒青森・弘前)、偶数号が上り(青森・弘前⇒秋田)です。3号は弘前着、6号は弘前発便となる点も要注意!
各号によって通過駅も異なるうえに、車両形態は運行日や便によってバラバラ…最新の運行スケジュールを確認することをオススメします!
主要駅の停車時刻はこのようになっています!(2020年1月現在)
- 秋田⇒青森・弘前
秋田 東能代 千畳敷 五所川原 弘前 青森 1号 8:20発 9:19発 通過 12:09発 12:52発 13:29着 3号 10:51発 11:54発 14:15発 15:10発 15:49着 5号 13:52発 14:55発 17:19発 18:18発 19:02発 19:40着 - 青森・弘前⇒秋田
青森 弘前 五所川原 千畳敷 東能代 秋田 2号 8:09発 8:48発 9:28発 10:31発 12:29発 13:27着 4号 13:51発 14:30発 15:10発 16:13発 18:05発 18:56着 6号 16:06発 16:46発 通過 19:49発 20:41着
今回は4号(青森⇒秋田)に乗車した際のレビューとなります!
千畳敷駅では15分の停車時間が設けられ、海岸を歩くことができます!しかし1号と6号は通過となる点は要注意!!
『リゾートしらかみ』の魅力を最大限楽しむために
おすすめの乗車時間帯
冬は日本海の雪景色が存分に楽しめる昼間、冬以外では夕日の沈む時間帯に乗車するのが良いと思います!というのも、冬は沿線の雪景色が大変美しいですが、一方で曇りがちのため夕日が見えないことが多いからです!
千畳敷駅に停車する列車も考慮すると、秋田発便では5号(冬は3号)、青森発便では4号(冬は1号)に乗車するのがオススメです!
おすすめの座席
こちらが『リゾートしらかみ』の車両編成(全形態共通)です!2号車がボックス席、それ以外が普通指定席となります。
- 3人以上のグループ
2号車ボックス席 - ひとり旅・ペア旅行
1・3・4号車のA席(窓側)B席(通路側)
ひとり旅・ペア旅行では、相席になる可能性があるためボックス席を避けるべきかも。A席・B席では上下線ともに、車窓から日本海を楽しむことができます!!
途中、川部ー弘前間でスイッチバックを行うため進行方向が反対になりますが、A・B席が日本海側になるのでご安心を。
安く楽しみたい!!
この『リゾートしらかみ』は、1年の限られた期間だけ安く乗車することができます。そう、「青春18きっぷ」を使った方法です!
『リゾートしらかみ』は快速列車の扱いとなるため、指定席券530円を支払うだけで青春18きっぷでの乗車が可能に!秋田から青森まで乗車した場合、通常運賃は4,510円+530円ですが、青春18きっぷを使えば2,410円+530円で乗車できます!
『リゾートしらかみ』車内レビュー
列車:『リゾートしらかみ』4号(橅編成)
乗車日:2019年12月28日
座席:1号車4A
乗車区間:青森⇒秋田
普通車指定席
橅編成の普通車指定席はこちら!
木目調が主体で温もりを感じる雰囲気ですね!日本海沿岸に出ると、車両上部に設置されているモニターには運転席からの風景が映し出されます!
シートピッチはとっても広い!!大人の男性が思いっきり足を伸ばしても全然余裕です!!これだけ前後の間隔があるので、座席を倒しても迷惑にならないのは嬉しいですね!
テーブルは前面の大きなタイプと、シート横の小さなタイプの2つが使えました!!使い分けができるのでとても使いやすかったです。
1号車と4号車の両端部には展望デッキも設置されています。通路側しか座席が取れなかったとしても、ここなら景色を存分に楽しめそうです!!思いのほか人も少ないのでオススメ!!
乗車記念のスタンプやパンフレットもこちらでどうぞ。
ボックス席
ボックス席は4人掛け。座席を倒してフルフラットにすることもできます!
座席は常に海側!! ライトの雰囲気が雰囲気を演出していますね!ドアは付いていないので完全個室までとはいきません。しかし、プライベートな空間が保たれるのは魅力的ですね!
このときは思ったより空いていたので、グループ旅行では意外と狙い目かもしれません!
以下の記事で『リゾートしらかみ』と同型車両で運行している、『海里』のボックス席を使用した際のレビューを詳しく行っています!
売店
売店は3号車!
沿線地元の食べ物や土産品、地酒などを買って楽しむことができます!!オリジナルグッズも販売しており、『リゾートしらかみ』車内限定のクリアファイルやタオル、キーホルダーなどがありました。
売店横にはイスも設置されていているので、地酒片手に車窓の景色を眺めるという贅沢も楽しめそう!
冬の『リゾートしらかみ』乗車レビュー
青森駅を出発
青森駅は3番線から出発!3番線ホームを津軽海峡方面に向かってずっと歩くと、突き当たりに青函連絡船が稼働していた時の連絡橋跡が残されているのでぜひ(笑)
今回は橅編成!HB-E300というハイブリッドタイプの車両が使われています。車両の所属は秋田のようです。
青森駅から乗車する人は意外と少なく…海側の座席でも空席が目立つ状況でした。新青森で新幹線から乗り換える人や、五所川原で津軽鉄道のストーブ列車とハシゴしている人が結構多かった印象。
JR五能線の絶景
青森駅から弘前駅にかけては、雪がどんどん多くなっていきました。途中川部駅までスイッチバックをして、いよいよJR五能線に入ります。
五所川原にかけては車窓にリンゴ畑!のどかな冬の田園風景を眺めながら日本海までしばらく走ります…
鯵ヶ沢を過ぎると日本海がお目見え!雪化粧した対岸の山々と日本海とのコントラストが本当に美しく、いつまでも飽きない風景でした!!
しかし、秋田県に入る前に夕暮れを迎えてしまい、この絶景を楽しめる時間はわずかでした。冬場は夕暮れが早いので、午前中に乗車して明るいうちに雪景色を楽しむのが良いと思います!夏場は夕暮れ時がオススメ!!
四季折々の絶景が自慢のJR五能線ですが、 個人的には冬がイチオシ!!やっぱり雪国に来たなら雪景色を眺めないと…!!それだけ雪・山・海のコントラストは美しいものでした!!
千畳敷で途中下車
途中、千畳敷駅で列車は15分停車(1号・6号除く)。途中下車をして、千畳敷海岸を歩くことにしました!!
この千畳敷海岸は、約200年前の大地震によって地面が隆起して形成された海岸だそう。海岸の岩場が独特の形をしていて、どこか異世界に来た気分!
時間は充分あるので、『リゾートしらかみ』の記念撮影もたくさんしました!!列車は出発3分前になると汽笛で合図をしてくれます。
秋田までは暗闇の中…
この時期は冬至を過ぎて間もなく、千畳敷を過ぎてすぐに夕暮れを迎えました。車窓からの風景は暗闇に包まれ、その後は景色を楽しむことができず…冬の雪景色を思う存分楽しむなら早めの行動が吉です!
そして定刻通り19時前に秋田駅に到着。
途中駅で青池編成と待ち合わせしており、そこで互いの列車を乗り換えている人もいました(笑)
5時間を超える長旅でしたが、車窓からの雪景色を満喫できて大満足です。
おわりに
今回は青森から秋田まで、冬の『リゾートしらかみ』に乗車したレビューをお届けしました。今までもいくつか観光列車には乗車していますが、その中でも列車内の温かい雰囲気と、車窓からの絶景は他と比較しても特に素晴らしいと思いました!
私は今回『リゾートしらかみ』に乗るために、片道2日かけて関東から青森まで来ました。実際乗ってみて、それだけの価値は十分あると思ったし、また違う時期に違った編成の車両に乗ってみたいと思いました。車窓の景色が四季折々に移り変わるので、乗客も飽きずに何度でも楽しませてくれます。
みなさんも、『リゾートしらかみ』で車窓の絶景をゆっくり楽しんでみてはいかがでしょうか?
fin.