2024年のGW、長期休暇が取得できたため熊野古道へ行き、6泊7日(テント込み)で中辺路を完全踏破しました。
今回は、稲葉根王子から滝尻王子を経て、近露まで歩いた3日目の様子をまとめていきます。
前日(2日目)、紀伊田辺駅からの様子はこちらから

目次
ルートとスケジュール(Day3)
3日目は、稲葉根王子近くのMIZUGORI CAMPをスタートし、滝尻王子や高原熊野神社を経由、近露までの27.6kmを歩きます!
中辺路といえば、滝尻王子を起点に熊野本宮大社まで2~3日かけて歩くのが1番メジャーかと思います。3日目と4日目はそのメジャールートにあたる部分になるので、滝尻からの縦走を考えている方の参考にもなればと思います!
経路
MIZUGORI CAMP(スタート)~滝尻王子~高原熊野神社~十丈王子~近露王子~アイリスパークオートキャンプ場(宿泊)
L:27.6km
D+:1,361m、D-:1,086m
スケジュール
2024年4月29日(月・祝)
時刻 | 経由地 |
---|---|
4:30 | MIZUGORI CAMP |
↓ | |
7:00 | 滝尻王子 |
↓ | |
9:15 | 高原熊野神社 |
↓ | |
12:30 | 近露王子 |
↓ | |
13:00 | アイリスパークオートキャンプ場(テント泊) |

山行記
MIZUGORI CAMP~滝尻王子
熊野古道・中辺路の旅も3日目に突入!今日は稲葉根王子から滝尻王子を越え、近露までの27.6kmを歩きます!
滝尻王子から先は熊野の霊域とされ、本格的な山道が続きます。多くのハイカーは、滝尻から熊野本宮を目指します。
(私は中辺路を制覇したかったため紀伊田辺から歩いています。)
そんな、熊野のハイライトに差し掛かる3日目!出発は朝4時半でした。
この日は正午過ぎから雨予報だったため、昼までに近露へ到達したかったのです。
もちろん、あたりは暗闇に包まれていました。



富田川沿いは点在する集落を経由しながら、アスファルトのロードをひたすら進んでいきます。集落は高台の上にあることもしばしばあり、そのたびに熊野古道は急勾配を上り下り。地図上では川沿いで平坦に見えていても、実際には坂が連続していて意外とタフな区間でした。






さらに進むと本日最初の山場、北郡越に差し掛かります。滝尻の直前、早朝からひと山越えていきます。
今までの舗装路からは打って変わり、本格的な長い登山道。しかも道幅も所々狭く、注意して越えていきます。




無事に北郡越を通過すると、再び脇道の集落に立ち寄りながら国道の側道を進むと、滝尻に到着!
途中レトロ感ある吊り橋やバス停跡?のようなところが、とてもノスタルジックで印象的でした。
目の前を紀伊田辺駅始発のバスが通過していったときは、どんなに羨ましく感じたことか…




滝尻王子~高原
MIZUGORI CAMPから滝尻まで歩くこと2時間半、一切休みなく歩き続けていたので、ここでしばらく休憩をとります。
滝尻は人(=8割以上外国人、しかも大半は中国系)で溢れていました。
滝尻王子のスタンプを押し、2日ぶり2回目の民宿あんちゃんの抹茶アイスで疲れを癒します。
滝尻王子から先は熊野の霊域とされ、長く険しい登山道が続きます。
残り5日間、約150kmの安全を祈願してお参りを済ませたところで、先へ進みます。




この先大雲・小雲取り越えまで長く続く中辺路のポスト標、起点は滝尻王子となっていました。
熊野古道・中辺路ハイクとしては、滝尻王子が実質的な起点となっていて、ほとんどのハイカーはここをスタート地点に熊野本宮を目指します。ただ、今までご紹介の通り、中辺路の本当のスタート地点は紀伊田辺駅前の「道分け石」であり、ここまでの道のりを歩くことができただけでも、十分価値があったと感じました。少しでも興味がある人はぜひ歩いてほしいです。

さて、紀伊田辺駅を出発して1日半、ここまでは一切誰一人とも遭わなかったハイカーですが、ここからは大勢の人と一緒に目指します。嬉しさや安堵の一方、あまりの人の多さで度々大渋滞…しかも体感半数以上が外国人で、もはや「こんにちは」ではなく「Hello」の方が通じていたのではというほど笑
まずは飯盛山の頂上を目指して、急登を進みます!
ここまで既に約14kmロードを歩いてからの登りはかなり足に堪えました…
とはいえ設定CTがかなり緩めのようで、意外とハイペースで先に進むことができました。
途中には「胎内くぐり」や「乳岩」など、逸話が残る名所も。






滝尻を出発して約40分、飯盛山の頂上に到着!標高341.1mとのことで、一気に200m以上登ったことになります。
さすがのキツさに、ここでも小休憩。でも、登っただけあり景色は素晴らしかったです。


飯盛山を下った後、再びの登り返しを越えれば高原に到着。
高原の手前も高台になっており、ここもまた良い景色。





高原熊野神社でもスタンプを押し、先の旅の祈念をしました。

高原~近露
高原熊野神社での参拝を終えると、開けた展望台と休憩所があったのでひと休みすることにしました。
ベンチに座りながら自販機に売っていたアセロラジュースをガブ飲みします。
休憩所も少し気になったので立ち寄ってみました。すると中のおばちゃんに話しかけられて
おばちゃん「どこから来たの?」
ぼく「田辺の駅から3日かけて歩いてきました」
おばちゃん「なんだいね!?あんた、この人田辺から歩いて来たんやってや!遠かったやろぉ、これ甘いからいくらでも食べて行き!」
このあとどこまで行くか聞かれたので、あと4日かけて川下りして熊野三社巡って大雲・小雲取り越えてくると言ったらさらにビックリされました笑
それにしても、ここでいただいた和歌山のみかん、さすがめちゃくちゃ甘かったです!
お茶まで頂いてさすがに申し訳なくなったので、お餅を買って出ることにしました。
その先、お餅片手に食べながら歩きましたがとても美味しかったです!(エネルギー補給としても最高でした)



休憩所を出て急勾配の坂を上ると、途中にエナジーバーの無人販売所を発見!しかも外国語表記で見たことがないパッケージ…!物珍しさに気になってしまい、1本買ってみることにしました。
よく見ると何やら説明書きが
これはRAW・BITEという、北欧・デンマーク生まれのオーガニックフルーツ&ナッツバーとのこと、添加物や保存料、甘味料も一切使われていないそうです。
食べてみると、ソイジョイみたいな感じ?味もいたって普通で美味しかったです。

この先は、しばらく長い杉並木の間を登っていきます。ところどころ石畳のような場所もあり、最初はテンションが上がりますが、ほどなくして飽きてきました笑
それでもやっぱり景色は良くて、杉並木や池の周りでは、写真を撮る人も多かったような気がします。


この区間はアップダウンもそれなりに多く意外と疲れましたが、大門王子、十丈王子と無事に通過。そして少し下って大坂本王子にも到達し、近露までもあと一息です。




さらに下ると道の駅中辺路が見えてきました。
このままお昼ご飯を食べたかったですが、雨雲レーダーをチェックすると、到着する頃は雨に降られるかギリギリの時間…先を急ぐことにします。
このまま近露まで下りれる!と思いきや、三度の峠が登場…
その先は中辺路でも有数の有名スポット、牛馬童子でした!
牛馬童子は、牛馬2頭の背にまたがった僧服婆の石像で、その姿がとても印象的なことで有名です。花山法皇の熊野詣の旅姿であると言われています。
牛馬童子がある箸折峠は、花山法皇が御経を埋めた所と伝えられています。また、カヤの軸の赤い部分に露がつたうのを見て、「これは血か露か」と尋ねられたことから、この場所が近露という地名になったとの逸話も残っています。

箸折峠を越えると、ひと山を越え切り、近露の集落に到着!
明日通過する本宮までは29km、明後日通る予定の新宮までは62km!まだまだ先は長いです…


近露の集落は民宿が多く集まっており、中辺路を通るハイカーの大半が宿泊するポイント。外国人の姿がとても多く、ぞろぞろと歩いていたのが印象的でした。
本日最後のポイント、近露王子に無事到着!


まだこの時点でお昼過ぎ、その先継桜の方にも進めそうですが、今回はテント泊のためここまで!
近露王子から15分ほど一気に下り、川沿いにあるアイリスパークオートキャンプ場を目指します。
正直なところ、また帰りはこれを上るの…?と考えたくなくなるような、急な坂でした笑

アイリスパークオートキャンプ場
13時、本日のキャンプ地、アイリスパークオートキャンプ場に到着!
朝4時半から7時間半、27.6kmを歩き切りました!
早速管理棟で受付をすると、キャンペーンか何かとのことでビールを1缶いただけました!(最高!)

早速テントを張ることにします。
テント場は広く、車が通る部分以外であればどこでも良いとのことだったので、大きめの木の下を選びました。(この日は午後雨予報だったので)


その後はお昼寝をして、キャンプ場に併設されていた温泉に入ることにしました。
貸し切り状態でかなり泉質もよく、肌がスベスベになった気がします。
何より、テント泊縦走でお風呂に入れるというのが本当にありがたい…!

その後は少し時間があったので、片道20分ほどかけて、国道沿いの「古道歩きの里ちかつゆ」に行ってみました。
2022年にリニューアルしたドライブインで、お土産屋やスーパー、レストランなど様々な施設が併設されています。
美味しそうなパンやご当地土産など、品揃えはかなり豊富でした。
この頃には土砂降りが降っていたため写真は撮れませんでしたが、Aコープで熊野サイダーと梅のドライフルーツなどを買ってみました。
特に、紀州南高梅のドライフルーツが本当に美味しくて、トレイルの最中はずっと食べていました。
酸っぱいけど甘くて、そのバランスがなんとも絶妙で、今まで食べたドライフルーツで1番でした!
ここ以外にも探してみましたが、Aコープのほか、一部の県内のコンビニにはあった気がするので、ぜひ食べて欲しいです!(紀伊田辺駅のコンビニにもあったはず)


というわけで、無事に3日目が終了。
しかしこの日の夜は結構な雨が降っており、やむ気配もなく…
(大木の下にテントを張っていて本当に良かったです)
次は熊野本宮大社にいよいよ到達!
4日目に続く!