熊野古道・中辺路を6泊7日で歩く|テント泊ルート・宿泊地・スケジュール計画

2024年のGWに、熊野古道の中辺路を6泊7日で歩き通し、完全踏破しました。

一般的に「中辺路」として歩かれることが多いのは、滝尻王子から熊野本宮大社までの区間です。

ただ、今回はそれだけではなく、紀伊田辺から熊野本宮大社へ向かい、熊野川を下って熊野速玉大社へ。さらに熊野那智大社を巡り、大雲取越・小雲取越を越えて湯の峰温泉へ戻る、約192kmのルートを計画しました。

宿泊はテント泊を中心としながら、キャンプ場のない都市部ではホテルを利用しています。

この記事では、実際に歩いた6泊7日のスケジュール、宿泊地・キャンプ場、食料調達の注意点、装備関係などをまとめます。

かなり健脚向けの行程ですが、テント泊を組み合わせて中辺路を長く歩きたい人はもちろん、2~3日の短期縦走にも役立つかと思いますので、みなさんの参考になれば嬉しいです。

熊野古道・中辺路を6泊7日で歩いたルートの概要

中辺路と聞くと、多くの方は滝尻王子から熊野本宮大社までを歩くルートをイメージすると思います。

実際、WebやYAMAP、ヤマレコなどで公開されている登山記録でも、滝尻王子から熊野本宮大社の区間を2〜3日ほどかけて歩くものが多いように見受けられます。

ただ、中辺路はそれだけではありません。

中世の貴族と同じように辿ると、紀伊田辺から熊野本宮大社へと向かい、その後は熊野川を下って熊野速玉大社へ。さらに熊野那智大社を巡り、大雲取越・小雲取越を越えて本宮方面へ戻ることで、熊野三山をつなぐロングトレイルルートとして歩くことができます。

今回は、できるだけその参詣順に沿って、紀伊田辺から熊野三山を巡り、最後は湯の峰温泉まで歩く計画を立てました。

一般的な中辺路のルートとの違い

一般的な中辺路のルートと、今回歩いたルートの違いを整理すると、以下のようになります。

項目 一般的な中辺路ルート 今回のルート
主な区間 滝尻王子〜熊野本宮大社 紀伊田辺〜熊野三山〜大雲・小雲取越
日数 1泊2日〜2泊3日程度 6泊7日
距離 約38〜40km前後 約192km
宿泊 民宿・旅館中心 テント泊(+ホテル)
雰囲気 熊野古道の王道ハイライト ロングトレイル
難易度 初心者〜中級者向けに組みやすい 健脚向け

一般的によく歩かれる滝尻王子〜熊野本宮大社のルートは、熊野古道らしい雰囲気を味わいやすく、初めて中辺路を歩く人にも組みやすい行程です。

一方で、今回のルートは熊野三山をつなぎ、大雲取越・小雲取越まで含めて歩くため、距離も日数もかなり長くなります。

観光というより、熊野古道をひとつのロングトレイルとして歩くような計画です。

今回の計画で決めたこと

今回のルートを計画するにあたり、自分なりにいくつかのルールを決めました。

ただし、これはあくまで今回私が設定した歩き方です。

実際に歩く場合は、体力や天候、宿泊地の空き状況に合わせて、場合によってはバスや電車を組み合わせ、セクションハイクのように分けて歩くのも良いと思います。

できるだけ昔の参詣順に沿って歩く

熊野巡りでは、中世貴族は京都・大阪方面から紀伊路を通って紀伊田辺へ向かい、そこから中辺路を通って熊野本宮大社を目指したとされています。

今回は当時を意識し、紀伊田辺から熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を巡り、大雲取越・小雲取越を歩くルートにしました。

また、熊野本宮大社から熊野速玉大社へ向かう区間は、熊野川の舟下りを利用しています。

徒歩だけでなく、熊野川を下る行程を入れることで、より昔の参詣の雰囲気に近づけられるようにしました。

無理のない範囲で可能な限りテント泊

今回の縦走では、田辺市内や新宮市内などの都市部ではホテル泊にし、それ以外のエリアではできるだけテント泊を取り入れました。

ホテル泊も混ぜることで、睡眠確保のほか洗濯も行うことができ、より快適かつ楽に長期に渡って歩くことができます。

中辺路沿いには民宿や旅館もありますが、今回は長い距離を歩くこと、そしてロングトレイルらしい旅にしたかったこともあり、キャンプ場を組み合わせて計画しています。

ただし、テント泊にこだわると荷物が重くなり、1日の行動負荷も大きくなります。

初めて熊野古道を歩く場合や、長距離ハイクに慣れていない場合は、無理にテント泊にせず、宿を利用する方が安心です。

日没の1時間前には行動を終える

中辺路は、ほかの熊野古道のルートとは異なり山道を歩く区間が多いため、日没の1時間前には行動を終えることを意識しました。

特に大雲取越・小雲取越のような山深い区間では、暗くなってから歩くのは避けたいところです。

中辺路は観光地として整備されている場所も多いですが、長距離で歩く場合はしっかり山道を歩く感覚が必要です。

距離だけでなく、日没時間や天候、食料などの補給場所、宿泊地までの余裕を考えて計画することが大切だと思います。

6泊7日のスケジュール一覧

今回の6泊7日のスケジュールは以下のとおりです。

紀伊田辺から歩き始め、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を巡り、大雲取越・小雲取越を経て湯の峰温泉へ向かいました。

なお、初日は潮見峠ルートという中辺路の分岐ルートのみを歩いており、一度紀伊田辺に戻っています。その後2日目から7日目にかけて、改めて紀伊田辺から一筆書きで歩いています。

日程 区間 距離 累積標高 宿泊
1日目 紀南病院〜滝尻王子(潮見峠ルート) 17.9km D+582m / D-534m 紀伊田辺駅周辺
2日目 紀伊田辺駅〜稲葉根王子 16.8km D+233m / D-215m MIZUGORI CAMP
3日目 稲葉根王子〜滝尻王子〜近露 27.6km D+1,361m / D-1,086m アイリスパークオートキャンプ場
4日目 近露〜熊野本宮大社〜川湯温泉 29.9km D+1,114m / D-1,368m 田辺川湯キャンプ場
5日目 川湯温泉〜熊野川川舟センター〜熊野速玉大社〜那智駅 59.0km D+421m / D-473m 新宮駅周辺
6日目 那智駅〜熊野那智大社〜大雲取越〜小口 23.5km D+1,476m / D-1,423m 小口自然の家キャンプ場
7日目 小口〜小雲取越〜大日越〜湯の峰温泉 17.7km D+1,150m / D-1,099m

※5日目の距離は、熊野川舟下りの21.8kmを含みます。

5日目の距離は59.0kmとかなり長いですが、熊野川川舟センター〜熊野速玉大社の区間は舟下りを利用しています。

一方で、3日目・4日目・6日目・7日目は累積標高差が大きく、テント泊装備を背負って歩くとかなり負荷があります。

特に大雲取越・小雲取越は、観光気分で歩くというよりは、本格的な登山ルートを歩くような区間として捉えた方が良いと思います。

ちなみに、北アルプスの燕岳(中房温泉)は累積標高が1,500mほど。6日目の那智駅から大雲取越はそれに匹敵することが分かります。

各日のルート概要

1日目|紀南病院〜滝尻王子(潮見峠ルート)

1日目は、分岐ルートとなる潮見峠ルートとして、紀南病院付近から滝尻王子まで歩きました。

潮見峠ルートは、起点となる場所(本ルートとの分岐点)までのアクセスが良くないため、紀伊田辺駅からバスで紀南病院まで移動し、そこから歩くのがオススメです。

この日の宿泊は、紀伊田辺駅周辺のホテルにしました。

紀伊田辺駅の周辺は飲食店もあり、食事面では困りません。ただ、スーパーなどの買い出し場所が少なく、コンビニなどを頼らざるを得ないと思います。

2日目|紀伊田辺駅〜稲葉根王子

2日目は、仕切り直して紀伊田辺駅から、稲葉根王子に向かって歩きました。

この日は距離・標高差ともに比較的控えめですが、キャンプ場の立地や翌日以降に備える意味で、無理のない行程にしています。

宿泊は、稲葉根王子付近のMIZUGORI CAMPを利用しました。スーパーが近くにあり、食事や補給面でとても助かりました。

テント泊装備を背負って歩く場合、序盤で疲れを溜めすぎないことが大切です。

3日目|稲葉根王子〜滝尻王子〜近露

3日目は、稲葉根王子から滝尻王子を経て、近露へ向かいました。

滝尻王子から先はいよいよ中辺路のメイン部分。山道らしい区間も増え、累積標高差も大きくなります。

距離は27.6km、登りの累積標高は1,361mと、テント泊装備ではかなり歩きごたえのある1日でした。

宿泊は、近露周辺のキャンプ場を利用しました。近露周辺もスーパーや道の駅が充実しており、食料や名産などを買い溜めました。

4日目|近露〜熊野本宮大社〜川湯温泉

4日目は、近露から熊野本宮大社を目指し、その後は川湯温泉方面へ向かいました。

熊野本宮大社に到着するこの日は、ひとつ大きな区切り。紀伊田辺から3日かけてたどり着いた達成感はひとしおでした。

一方で、距離の長さと上り下り、4日目の疲れが重なり1番精神的にもハードな1日でした。

熊野本宮大社を参拝後は、川湯温泉方面へ移動し、田辺川湯キャンプ場に宿泊しました。

5日目|川湯温泉〜熊野速玉大社〜那智駅

5日目は、川湯温泉から熊野川川舟センターへ向かい、熊野川の舟下りを利用して熊野速玉大社方面へ向かいました。

熊野本宮大社から熊野速玉大社へ、徒歩と舟下りでつないでいきます。

熊野速玉大社を参拝したあとは、太平洋の大海原を眺めながら、一部砂浜も歩きつつ那智駅まで歩きました。

この日は全体の距離だけ見ると59.0kmありますが、うち21.8kmは舟下りの区間となります。とはいえ、残りの37.2kmが徒歩となり、最も長い1日となりました。

この日は新宮駅周辺のホテルに宿泊。居酒屋で地元の方や店主の方と話しながら、郷土料理や地酒を堪能することができ、最後の山場となる大雲取越・小雲取越の前にリフレッシュできました。

新宮は駅前にスーパーもあり、最後の補給地としても大変助かりました。

6日目|那智駅〜熊野那智大社〜大雲取越〜小口

6日目は、那智駅から熊野那智大社へ向かい、その後は大雲取越を越えて小口を目指しました。

この日は、今回のルートの中で最も累積標高があり、大きな山を1つ丸ごと越えて行きます。その登りの累積標高は1,476mともなり、北アルプスとも全く遜色ありません。

途中の熊野那智大社や那智の滝は、言わずもがな代表的な観光地。そこから裏山へ一歩入り込み、大雲取越に入ると一気に山深い道になります。登りは大変ですが、雰囲気も良いです。

宿泊は、小口自然の家キャンプ場を利用しました。小口は食料などの調達がほぼ困難のため、事前に持参しました。

7日目|小口〜小雲取越〜大日越〜湯の峰温泉

7日目は、小口から小雲取越を越え、大日越を経て湯の峰温泉へ向かいました。

最終日とはいえ、登りの累積標高は1,150mあり、決して楽な行程ではありません。

大雲取越に比べると距離はやや控えめですが、最後までしっかり登り下りがあります。

湯の峰温泉に到着すると、長かった6泊7日の行程がようやく終わります。

熊野古道を歩き切ったあとに温泉地へ下りてくるのは、かなり達成感がありました。

宿泊地・キャンプ場まとめ

今回のルートでは、キャンプ場でのテント泊を中心に、都市部ではホテルを利用しました。

いかに宿泊地をうまく選び確保できるかで、行程の難易度にも影響します。

泊数 宿泊地 宿泊スタイル コメント
1泊目 紀伊田辺駅周辺(ホテル花屋) ホテル 1日目の潮見峠ルート後に宿泊。翌日以降の本格的な歩きに備える。
2泊目 MIZUGORI CAMP テント泊 稲葉根王子付近のテント泊地。周辺にスーパーあり。要事前予約。
3泊目 アイリスパークオートキャンプ場 テント泊 近露でのテント泊地。温泉あり。要事前予約。
4泊目 田辺川湯キャンプ場 テント泊 熊野本宮大社から徒歩1時間ほどのテント泊地。予約不要。
5泊目 新宮駅周辺 ホテル 那智駅付近の宿が無く、新宮で宿泊。スーパー・飲食店◎。
6泊目 小口自然の家キャンプ場 テント泊 大雲取越と小雲取越の中間地点。銭湯利用可。周辺にスーパーなど無し。

ホテルの場合はもちろん、キャンプ場でも予約が必要なところがあるため、事前の確認をおすすめします。(今回のテント泊では、MIZUGORI CAMPとアイリスパークオートキャンプ場は予約必要でした。)

都市部でも、紀伊田辺駅周辺については、繁忙期では数カ月前から予約が埋まり、2カ月前でも難しい印象です。新宮駅周辺は数が少なく、直前での予約が難しいように思います。

宿泊地を探す

テント泊にこだわらない場合は、各エリアで宿を確保して歩く方が体力的にはかなり楽です。 GWや連休は宿が埋まりやすいため、日程が決まったら早めに確認しておくのがおすすめです。

※リンク先の宿泊料金・空室状況・営業状況は変更される場合があります。

食料調達・買い出しの注意点

宿泊と同様に重要なのが、食料の調達です。

特に6泊7日と長期の場合、すべての食料を詰めて歩くことは難しいです。しかし、ロングトレイルという性質上、山の縦走とは異なり、一定間隔で街なかを歩くため、それをうまく活用して食料を補給しながら歩けると良いと思います。

中辺路の場合、新宮や近露では比較的食料を調達しやすい一方、山間部では選択肢が限られます。

特に小口周辺では、スーパーや商店などもほとんど無い状況のため、夕食・朝食・翌日の行動食をどこで確保するかを事前に考えておくと安心です。

エリア 補給の考え方 コメント
紀伊田辺駅周辺 最低限 駅構内コンビニなどで最低限の補給は可能。ただし、テント泊用の食料をしっかり買い込める場所としては考えすぎない方が安心。
紀伊田辺〜稲葉根 最低限 経路上にはほとんどないが、稲葉根王子周辺にスーパーやコンビニなどあり。
稲葉根王子周辺 調達可 スーパーのほかコンビニあり。小さな飲食店も。
稲葉根~滝尻王子〜近露 要準備 山道区間が増えるため、行動中に食べるものは持って歩く前提で考える。
近露周辺 最低限 宿泊地として重要なエリア。道の駅やcoopなどで地物を含めた調達は可能。
近露~熊野本宮大社~川湯温泉周辺 要準備 スーパー・コンビニともにほぼなし。夕食・朝食・翌日の行動食は余裕を持って準備したい。
新宮周辺 調達可 市街地で体勢を立て直しやすいポイント。大きなスーパーもあり。翌日以降の大雲取越に備えて補給。
新宮~那智 調達可 高野坂を抜けた先にロードサイド店が集積したエリアあり。
那智~小口周辺 要準備 コンビニを含めて店舗はなし。事前の食料準備が必要。

※店舗や施設の営業状況は変わる可能性があります。山間部では必ず現地で買えるとは限らないため、行動食・非常食は余裕を持って準備するのがおすすめです。

テント泊で歩く場合は、羊羹、ナッツ、フリーズドライ、アルファ米など、軽くて日持ちする食料を少し多めに持っておくと安心です。

毎日スーパーやコンビニに寄れるとは限らないため、「足りなければ現地で買えばいい」と考えすぎない方が良いと思います。

このルートの難易度

今回の6泊7日ルートは、一般的な中辺路のルートと比べるとかなり健脚向けです。

1日あたり20〜30km前後を歩く日が多く、さらにテント泊装備を背負うため、距離以上に体力を使います。

特に3日目以降は、滝尻王子〜近露、近露〜熊野本宮大社、大雲取越、小雲取越と、登り下りの大きい区間が続きます。

普段から長距離ハイクやテント泊登山に慣れていない場合は、宿泊地を増やしたり、公共交通機関を組み合わせたりして調整するほか、セクションハイクのように何回かに分けて歩くのがおすすめです。

初心者は短いモデルコースからがおすすめ

初めて中辺路を歩いたり、長距離縦走が不安な場合は、いきなり今回のような6泊7日のロングルートにするのではなく、まずはメジャーな滝尻王子〜熊野本宮大社から歩く方が良いと思います。

滝尻王子~熊野本宮大社は、中辺路をすべて歩いたなかでも、やはりハイライト的で印象に残っているし、「熊野古道」をよりダイレクトに感じることができたと思います。

1泊2日〜2泊3日程度で歩くことができ、中辺路らしい雰囲気や王子跡はもちろん、一番は熊野本宮大社への到達感を存分に味わえます。

今回のルートは、すでに長距離ハイクやテント泊に慣れていて、長期にわたり中辺路を隅々まで楽しみたい人向けです。

出発前に予約・準備しておきたいもの

中辺路を歩く場合、出発前に予約・確認しておきたいものがいくつかあります。

特に宿泊地やキャンプ場、熊野川舟下りは、事前に確認しておいた方が安心です。

予約・準備するもの 優先度 コメント
前泊・後泊のホテル 紀伊田辺・新宮周辺など、市街地の宿は早めに確認しておくと行程を組みやすい。
キャンプ場 営業日・予約要否・チェックイン方法を事前に確認しておきたい。
熊野川舟下り 運航日・時間を確認。予約枠も少なく、数カ月前の予約がおすすめ。
食料(メイン) 予定と調達可否を確認。必要であれば軽量化も考慮し、ドライフードなど準備が望ましい。
行動食・非常食 補給が限られる区間に備えて、軽くて日持ちするものを余裕を持って準備。
帰りの交通手段 湯の峰温泉・本宮方面からのバスや鉄道接続を事前に確認しておくと安心。
地図アプリ・紙地図 スマホのバッテリー切れや電波状況に備え、複数の情報源を用意しておくと安心。

特に宿泊地やキャンプ場は、ルート全体の組み方に直結します。

中辺路の場合、一定の間隔でキャンプ場や民宿がある集落や、ホテルがある市街地を通過していきます。

「どこまで歩くか」を先に決めるよりも、「どこに泊まれるか」を確認しながら行程を組む方が、無理のない計画を立てやすいです。

6泊7日テント泊で必要だった装備

6泊7日という長期にわたり中辺路を歩く場合、装備の軽量化はかなり重要です。また、地域的に日本でもトップクラスの降雨地であり、雨対策は必須といっても良いと思います。

テント泊装備を背負って1日20〜30km前後を歩くことになるため、テントやシュラフ、レインウェア、食料、モバイルバッテリー関係の装備は歩きやすさに直結します。

詳しい装備リストは別記事でまとめるとして、ここでは特に重要だと感じたものを挙げておきます。

装備 重要度 コメント
ザック 長距離のため必要最低限の大きさに留めたい。今回は40LのULザックを使用した。
テント テント泊装備を背負って長距離を歩くため、軽量のものが望ましい。
シュラフ・マット 春でも夜は冷え込む可能性があるため、睡眠環境はしっかり整えたい。
レインウェア 熊野古道は雨対策が必須。行動中の快適さと安全性に直結する。ゴアテックスが望ましい。
ヘッドライト 早朝出発やトラブル時に必須。予備電池や充電残量も確認しておきたい。
モバイルバッテリー 地図アプリや写真撮影を使うなら必須。日数に応じた容量を準備したい。
ストック 重い荷物を背負い長期間歩くため、負担軽減のためにあると望ましい。
行動食・非常食 補給が薄い区間に備え、軽くて日持ちするものを多めに持っておくと安心。
防水スタッフバッグ 雨天時に寝袋や着替えを守るために便利。ザック内の整理にも使いやすい。

この計画がおすすめな人・おすすめしない人

正直なところ、今回のように6泊7日かけて中辺路を「一気に」歩くルートは、誰にでもおすすめできる行程ではありません。

中辺路を長く歩ける魅力はありますが、距離も累積標高もあり、さらにテント泊装備を背負うとかなり負荷が大きくなります。

おすすめな人

この計画がおすすめなのは、例えば次のような人です。

Note

おすすめな人

  • 熊野古道を観光ではなくロングトレイルとして歩きたい人
  • 1日20〜30km前後を歩く体力がある人
  • テント泊装備を背負って長距離を歩いた経験がある人
  • 熊野三山を中世貴族のように昔の参詣順に近い形で巡ってみたい人
  • メイン部分(滝尻王子〜熊野本宮大社)だけでは少し物足りない人

おすすめしない人

一方で、次のような人には少しハードだと思います。

Note

おすすめしない人

  • 初めて熊野古道を歩く人
  • 長距離ハイクやテント泊に慣れていない人
  • 毎日宿や飲食店に確実に頼りたい人
  • 雨天時の山道に不安がある人
  • 観光メインでゆっくり楽しみたい人

初めて中辺路を歩く場合は、日帰りで発心門王子~熊野本宮大社を歩くプラン、もしくは滝尻王子〜熊野本宮大社の区間を2〜3日で歩くプランから始めるのが良いと思います。

そのうえで、もっと長く歩きたいと感じたら、大雲取越・小雲取越や熊野三山をつなぐルートに広げていくのがおすすめです。

まとめ|中辺路を長く歩くなら、宿泊地を含め念入りな計画が重要

今回は、熊野古道・中辺路を6泊7日で歩いたときのルート計画をまとめました。

紀伊田辺から熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を巡り、大雲取越・小雲取越を越えて湯の峰温泉へ戻るルートは、一般的な中辺路歩きと比べるとかなり長く、体力的にも簡単ではありません。

ただ、テント泊を組み合わせながら歩くことで、熊野古道をひとつのロングトレイルとして楽しめる、とても充実した行程になりました。

これから同じように歩きたい方は、まず宿泊地や食料の補給計画などを確認したうえで、無理のないスケジュールを組むのがおすすめです。

特に、近露や川湯温泉、小口周辺は宿泊候補や食料の調達場所が限られるため、早めに計画しておくと安心です。

各日の詳しい様子は、以下の記事でまとめています。